ニューヨーク&オランダ修業

2カ国2タイムゾーン、半月にわたる現代音楽修業から帰国して約10日。ようやく体力・気力ともに回復してきましたー。応援くださったみなさま、本当にありがとうございました!(新型インフルエンザも問題なしです~。)



090416_1107_4今回は、まずニューヨークにて、Google主催のYouTubeシンフォニーオーケストラという、世界規模のすごいイベントに参加させていただきました。連日各国の新聞・テレビ・ネット記事にて報道されたそうですが、日本でも、日テレの夕方のニュースなどでご紹介いただきました(初テレビ出演で、すごく緊張しました…)。



Rimg0019_24カーネギーホールにて、オンラインオーディションを経て世界中から集まった音楽家とともに、私はトイピアノを演奏…!北京オリンピックの音楽も担当した現代作曲家タン・ドゥン(昔からファンでした。カッコよかった!)の『インターネット・シンフォニー』を初演させていただきました。(↓本番の様子です。5分20秒ぐらいから、私がトイピアノを弾いている様子もチラリと…)。



現代音楽でありながら、インターネットを通じて、これほどまでに世界中の多くの人々に聴かれた音楽も、なかなかないのではと思います。コンサート自体も、「クラシック音楽の歴史をちょっとでも変化させる」というGoogleならではの壮大なコンセプトを持ったもので、これまでの私の音楽人生上、最もスゴイ体験になりました(コンサート全体の様子が、YouTubeシンフォニーオーケストラのページにてご覧いただけます)!公式Vlog制作というお役目を通じて、Googleの方々とも親しくさせていただけて、世界が広がった気がします(予想に反して!?、みなさんホンワカした良い方々でした)。















090419_1256_3その後、時差ボケに時差ボケを重ねつつ、フラフラとアムステルダムに到着…。ニューヨークとは全く違う、古く美しい町並みに癒されつつ、今度は現代音楽演奏界の世界選手権、ガウデアムスコンクールに挑戦!



約70組の様々な楽器奏者が、全自由曲で競うこの大会。小学生の時ギャグでやっていたような、2本のリコーダーをマジで同時に吹いてしまう人とか、演劇的に床でのた打ち回る打楽器奏者とか、超クレージーな演奏家がいっぱいいて、いやー、マニアックな世界でした(笑)。かくいう私も、持っていったプログラムの中で最もカットンダ作品が指定され、ピアノとトイピアノを同時に弾きつつ紙風船まで割ってしまう、ということをしていたので、人のことは言えないのですが…。



090426_1314_2結果的には、既に西洋音楽史に残っているような現代音楽の難曲を、カッチリ演奏した人々が勝ち残っていき、今回は私は全く歯が立ちませんでした。ヨーロッパのコンクールで上位を目指すには、いくら自由曲とは言え、やはり西洋音楽史上の難曲をしっかり弾き込んでおく必要があることを痛感。プログラムの半分以上を日本の作品で固めて行った私には、色々な意味で手痛い修業でしたが、世界の現代音楽状況を改めて認識できて、よかったです…。



審査員にも「君は良いピアニストだけど、プログラム的にね…」(オランダ人)、「僕も若い頃このコンクールで予選落ちしたけど、今回戻ってきたら一気に審査員だからね、人生分からないもんだよ、ま、落ち込むな~」(ドイツ人)。そう、人生分からないものですね。私も、このドイツ人審査員的な人生を目指そうか、と今は思っています(笑)。



6 件のコメント:

  1. こまちゃん2009年5月13日 7:24

    すごかったね~1ヵ月。
    尊敬のまなざし!!!
    またひとつ大きな足跡を残して
    さらなる飛躍を!ですね。
    楽しみにしています。

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  2. すどうえいこ2009年5月13日 9:22

    ��こまちゃんさま
    おかげさまです。本当に、色々とどうもありがとうございました!
    今回の修業、あまりの刺激の強さに、今は満腹状態ですが…、徐々に消化しながら、これからゆっくりじっくり、色々やっていきたいと思っています。これからも、どうぞよろしくお願いいたします~!

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  3. 西洋音楽史に残っている現代音楽・・・国も分野も違う話ですが,ミラノ工科大学の建築学の教授がこんな話をしてくれたことがあります.“都市計画は,現在の文化や地勢に溶込みながらも,住民をより良い未来へ導くための新しい要素を含む必要がある.しかし,それだけでは不十分だ.イタリアの長い歴史に照らした上で,それがどんな意味を持つのか,十分に説明されなければならない”

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  4. すどうえいこ2009年5月15日 6:33

    >Aleksandraさま
    興味深いお話を、ありがとうございます!まさに、そうですね。西洋音楽史の長い歴史に照らした上で、その意味まで理解して表現する…。日本の現代音楽を考える上でも、とても参考になります。自分のやるべきことが、おかげさまでちょっとクリアになりました。建築の分野は、昔から興味深かったのですが、またいろいろ教えてください!

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  5. 英ちゃんの演奏姿、凛としていて素敵です。とても感動しました。曲も架橋のところで映像に登場ですね。気分盛り上がって、涙してしまいました・・・。
    今回の旅は、すばらしい財産になりますね。ぜったいに。

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  6. すどうえいこ2009年5月18日 5:58

    >ajskrimさま
    ありがとうございます~。「凛」、目指すところなので、そんな風に言っていただけて、嬉しいです。いやー、涙までしていただいて、こちらこそありがたくて涙です~。
    そうですね、「財産」。そうかもしれません。今はまだまだ混乱気味な感じですが、それだけデッカイ財産なのかもしれません…。いつも、ありがとうございます!!!

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