熟成

先日、作曲家・上田真樹さんの作品を久々に聴かせていただいた。高校時代からの先輩である上田さん。芸大時代、彼女の歌曲を何曲か、メゾソプラノのわかめちゃんと演奏させていただいていた。当時から抜群のセンスと、現代作品としては珍しいシンプルさが魅力で、演奏するのもとても面白かった。その評価も高く、奏楽堂歌曲コンクール作曲部門では堂々2位!



久々の真樹さん節。朗読と歌とフルートとピアノという編成だったが、詩の選び方といい、ハーモニーの色合いといい、相変わらず抜群だった!ただ時を経て、当時の少し尖がったようなところが、反対に豊かな感じになった気がする。熟成、とはこういうことか。



作曲家とのお付き合いは不思議なもので、作品を通して人生の一コマを共有させてもらっている、ようなところがある。時を経てその作品に触れると、その人の過ごした時間が、自分の過ごした時間と重なって実感できる。同時代の音楽に関わるということは、そういうことかもしれないと思った。改めて、面白い仕事だと思う。



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