毎年譜めくリスト(ピアニストの横で楽譜をめくる人)をさせていただいている、ヴィオラの祭典「ヴィオラスペース」。今年は「第1回東京国際ヴィオラコンクール」も開催され、今日はそのファイナルでした。
ファイナリスト4人全員が外国人という、超インターナショナルなコンクール。日本のコンクールなのに日本人が一人も残らない、というのもすごいなぁと思いましたが…。今日は、課題曲のブラームス作曲ヴィオラ、チェロ、ピアノのための三重奏曲を、合計4回めくってきました。
ピアニストのフランソワ・キリアンさんもおっしゃっていましたが、同じ曲なのに実に4者4様で、興味津々でした。ベルギーの彼は味わい深く、アメリカの彼女は魅せる感じ、ロシアの彼はロマンチックで、ドイツの彼はキッパリ系。彼ら自身は、自分ができることを精一杯やっているだけだとは思いますが、その音楽の背後には、やっぱり暮らしている土地の文化や言葉が滲み出るんだろうな~と、一人感じ入ったりしていました。
私自身は、ロマンチックな彼にグッときましたが、さて結果は…(明日夜発表です)。
“暮らしている土地の文化や言葉が滲み出る”...そう思います.僕は,創造は常に人々の心の中にある“地勢_geography”の影響を受けると信じています.山,丘,野,川,町といったものが,ある種の精神的なイメージとしてあらゆる人間に刻印されていて,芸術や文化に留まらず,科学的な発明創出にも大きく作用する.個々の持つ地勢自体がすでに創造物だともいえます.クリエイティブなプロセスは興味が尽きませんね.
返信削除>Aleksandraさま
返信削除ありがとうございます!なるほど、地勢ですか!確かに、古い建物に囲まれたヨーロッパの街に生きるのと、色々なものが混じった日本の都市に暮らすのとでは、何かが違うのでしょうね。そう考えると、私の場合は、幼い頃から育った高田馬場の雑多な風景と、大学以降の山の風景、そしてそして…。これからも、自分の中の地勢が広がっていくといいなと思います。